自治体から保育士等へ支給される助成金の所得区分

6月18日に、広島国税局は、町が町内の私立保育士に勤務する保育士等に対して支給する助成金の課税上の取扱いについて(文書回答事例)を公表しました。

概要

A町は、保育人材の確保、定着及び離職防止を図ることを目的として、町内に所在する私立保育所(子ども・子育て支援法7条4項に規定する保育所)に勤務する保育士、保育教諭及びその他の職員(以下「保育士等」)に対し、次の3つの要件を満たした場合に「A町保育士等助成金」として年額3万円を支給している。

①本制度の実施期間(平成29年4月1日から平成32年3月31日までの3年間)内の各年3月1日において、対象保育所に保育士等として在籍していること。

②対象保育所において、1年以上の期間の労働契約を結んでおり、1日6時間以上かつ月20日以上常態的に継続して勤務していること。

③対象保育所を適用事業所とする社会保険の被保険者であること。

この場合の本件助成金について、その所得区分及びA町における源泉徴収の要否について照会された。

 

公表回答

この助成金は、A町から保育士等へ支給されるものである。しかしA町と保育士等との間に雇用関係及びこれに類する関係はないことから、「給与所得」には該当しない。
また、A町から保育士等に対し3年にわたって支給されている事からすると、「一時所得」にも該当しないこととなる。

ゆえに、本件助成金は、給与所得、一時所得のほか、利子所得、配当所得等のいずれにも該当しないことから、「雑所得」に該当することとなる。

また、源泉徴収の要否については、本件助成金が所得税法204条に限定列挙されている源泉徴収が必要な支払のいずれにも該当しないことから、A町は源泉徴収を要しない。

 

結果的に、この助成金の場合は、源泉徴収をされない「雑所得」という事になりますが、給与所得以外の所得が20万円以下となり(この場合の助成金は年額3万円なので。)、源泉徴収もされていないので確定申告の必要はない事になります。
しかし、医療費控除、ふるさと納税(寄付金控除)などで、確定申告して還付をうけるなどの場合には、この助成金の分もしっかりと加えなければならないため、注意が必要になるでしょう。

 

理想は非課税所得として扱ってもらえれば一番いいのでしょうが、さすがにそこまでとはなりにくい目的ですので仕方ないですが…。

限定的ですが、

雑所得3万円
医療費控除で2万円(例えば、医療費合計12万円)
だと結果的に所得が1万円増えてしまうといった事もあり得るので、還付をうけるための申告が納税になってしまう。

ので、その場合はやはり確定申告をする必要がない場合は、しない方がお得になることとなりますね。

 

 

川崎生まれ・川崎育ちの税理士、濱村純也です。

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