仮想通貨を贈与した場合の取扱いについて。

仮想通貨もより日常化していくようになる。

これをどう思うかは、それぞれあるとは思うのですが、日常化していくとするとそこに税金への問題も
当然より表面化していくでしょうし、複雑な事になっていくでしょう。

現状では、仮想通貨の取扱いについては、基本的な事については確定してきてはいますが、まだまだ
確定されていない事項も多いです。しかし、仮想通貨の取引は当たり前のように行われてきているので
何も処理しない、決まっていなければやらなくていい、という事には当然なりません。

そんな取引のなか今回は、仮想通貨の贈与について。

仮想通貨を贈与。
あまりピンと来ないかもしれませんが、仮想通貨という性質上それを他人にあげる(他の人が有するウォレットに移動。)
事は簡単に出来てしまうのです。

ここで贈与というものが発生し、そこに贈与税というものが発生するという事はわかるかと思います。

仮想通貨を贈与した場合。
受贈者(贈与を受けた者)に贈与税がかかります。(贈与税の基礎控除が110万円ありますが。)

この贈与をした時点の仮想通貨の時価(これを決定するのにも確定したルールはないのでなかなか考えものです。)
細かく言えば、何年何月何日何時何分(くらいまで?)に贈与したとしてその時の時価をとる。(仮想通貨の値動きが激しいので。)

その時価から贈与税額を計算する事になります。

この部分に異論があるという事はないとは思います。

しかし、この場合に贈与をした者には課税はしょうじないのかと少し疑問がでます。

所得税法第59条、60条

所得税法第59条 贈与等の場合の譲渡所得等の特例

次に掲げる事由により居住者の有する山林(事業所得の基因となるものを除く。)又は譲渡所得の基因となる資産の移転があつた場合には、その者の山林所得の金額、譲渡所得の金額又は雑所得の金額の計算については、その事由が生じた時に、その時における価額に相当する金額により、これらの資産の譲渡があつたものとみなす。

  • 一 贈与(法人に対するものに限る。)又は相続(限定承認に係るものに限る。)若しくは遺贈(法人に対するもの及び個人に対する包括遺贈のうち限定承認に係るものに限る。)
  • 二 著しく低い価額の対価として政令で定める額による譲渡(法人に対するものに限る。)

所得税法第60条 贈与等により取得した資産の取得費等

居住者が次に掲げる事由により取得した前条第1項に規定する資産を譲渡した場合における事業所得の金額、山林所得の金額、譲渡所得の金額又は雑所得の金額の計算については、その者が引き続きこれを所有していたものとみなす。

  • 一 贈与、相続(限定承認に係るものを除く。)又は遺贈(包括遺贈のうち限定承認に係るものを除く。)
  • 二 前条第2項の規定に該当する譲渡

 

によって仮想通貨を贈与した場合でも、受贈者の贈与税のみとする考え方が多いようです。
(私も税理士としてではなく、普通に考えればこれ以上はないと考えるかと思います。)

しかし上記の規定は、山林又は譲渡所得の起因となる資産についての規定です。
仮想通貨は、基本的には雑所得です。

そうすると、所得税法40条1項の規定(棚卸資産の贈与)の規定の適用もあり得るといった
考え方もうなずけます。
この場合だと受贈者以外に、贈与した者に贈与時の時価で利益確定したとしてその時価と取得原価との差額に
所得税が課せられる事になります。

単なるネット上のプログラムデータである仮想通貨を贈与したのに税金だけかかるのはどう考えても納得できない。
…わかります。
しかし、例えば、
仮想通貨を贈与の時点で現金化した後に、現金を贈与した。
これだと所得税も贈与税もかかる事に仮想通貨を贈与したときほど
違和感を感じないのではないかと思います。

現金化しなければ所得税はかからない。
そうなってしまっては税の公平性が崩れてしまいます。

現時点では、どちらが正しいかはわかりません。
しかし、仮想通貨の贈与が普通に行われるようになっていく(もうなっている?)状況なので
その取扱いを早く公表してもらいたいものです。

個人的にそれが確定するまでは、緊急を要する場合を除き(そんな場合はあまりないとは思いますが。)
仮想通貨の贈与はなるべくひかえた方がよいと思っています。

 

 

川崎生まれ・川崎育ちの税理士、濱村純也です。

川崎周辺(もちろんそれ以外でも)での

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