被災者に自社の製品等を提供した場合の処理は?
今年は、台風が上陸する事も多く、大変な被害をもたらした台風や、地震も発生して
現在もまだまだ完全に復旧していない地域が多くあります。
先日も、台風が沖縄から日本列島を縦断していき関東でも20時以降に各種電車が運休に
なりましたし…。
被災された皆様には、心よりお見舞い申し上げます。
そういった被害が起こった場合に、被災者へ義援金のほか救援物資などの支援が行われると思いますが、
その物資として、自社の製品を提供した場合はどうなるでしょう。
単純に考えると、法人からの寄付金や交際費に該当するのではないかと考えてしまいそうですが、
法人税法基本通達9-4-6の4によると
『法人が不特定又は多数の被災者を救援するために緊急に行う自社製品等の提供に要する費用の額は、寄附金の額に該当しないものとする。』
となっており、
措通61の4(1)ー10の4では
『法人が不特定又は多数の被災者を救援するために緊急に行う自社製品等の提供に要する費用は、交際費等に該当しないものとする。』
とあり、どちらにも該当しないとなっています。
上記の点から、寄付金や交際費には該当しないため、広告宣伝費に準ずるものとして損金の額に算入される。
通常、法人が得意先等の慶弔等に際して支出した費用は、慰安、贈答その他これらに類する行為のために要する費用に該当し、交際費等として取り扱われる。
しかし、災害という緊急性や、被災者を支援するという社会的な責任でもって行う行為であることから、自社製品等の提供は特定の者に対する利益供与には該当しないと考えられます。
また、この場合の「自社製品等」の範囲については、法人が自社で製造等を行った製品で、その製品に法人名等が表示されているものに限らず、
法人名等が表示されていない物品や他から購入した物品であっても、提供するにあたって企業のイメージアップなど実質的に宣伝的効果を生じさせるようなものであれば、
これに含めて差し支えないとされています。
特定のごく限られた者にのみに対する贈答(利益供与)を目的としたものは除かれますが、物品の提供だけではなく、
被災した企業への役務の提供や、社宅や研修所等を緊急避難的に被災者に提供した場合も、「自社製品等の提供」に含まれることとされていて、
「不特定又は多数」に対して「緊急」に行われるものであれば、弾力的な取扱いが認めています。
結果的にイメージアップなどの効果も生じる事があるとは思いますが、
基本的にこういった場合に、自社の製品等を提供する事は、被災者への支援に尽きると
思いますので、こういった場合の処理が、寄付金や交際費等には該当しない事は当然だと思います。
しかし、冒頭でも書きましたが、瞬間的に寄付金や交際費になってしまうのではと考える
職業病的な思考…人として少し寂しい気もします…。職業柄、仕方ないのですが。(苦笑)
川崎生まれ・川崎育ちの税理士、濱村純也です。
川崎周辺(もちろんそれ以外でも)での
創業支援・創業融資・借入等資金調達支援・税務相談等
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経営革新等支援機関業務・会社の健康診断も行い
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