消費税の軽減税率で食品消毒添加物の取扱いはどうなるのだろう？
昨年の話ですが、財務省の軽減税率の説明会の映像をニュースでみました。
対応していた課長補佐の方のキャラがたち過ぎていたから、ニュースであれほど取り上げられたのかもしれませんが、まあ財務省としても軽減税率にはあまり乗り気ではないような感じが個人的には感じられました。
ホントに細かい事を言い出したらきりがなく、もうそれだけで単純に経済的に損失なんじゃないの？という意見を言う人もいます。
色々とツッコミどころ満載ですが、2019年10月からの消費税増税に向けて、今回も少し細かい所をつついてみます。
軽減税率の基本のき
2019年10月1日から消費税が、現行の8％から10％に増税となり、それと同時に軽減税率の適用もスタートします。
さすがにこの時期等は、税に興味がない人でも、様々な所で取り沙汰されているので、嫌でも染みついてきているかと思います。
軽減税率については、飲食料品と新聞が該当になります。
それらすべてが、単純に軽減税率となれば、まだわかりやすいのですが、そうではなく、飲食料品については、持ち帰りか店内で食べるか等の区別により適用が変わります。
食品添加物とは？
食品添加物とは、保存料、甘味料、着色料、香料、など、食品の製造過程または食品の加工・保存の目的で使用されるもの。
軽減税率における飲食料品
軽減税率の対象となる飲食料品とは、「食品表示法に規定する食品（酒類や医薬品を除く。）」もので、上記の食品添加物についてはこの中に含まれる。
食品を消毒するようなものでも軽減税率の対象になる。
食品添加物の中には、食品そのものを消毒するようなものもある。
例えば殺菌に使われる次亜塩素酸ナトリウム。
野菜をカット野菜等に加工する際に、殺菌のために工場等でよく使用されている。
ちなみに次亜塩素酸ナトリウムというのは、60℃以上の熱で加熱すると最終的に塩化ナトリウムつまり食塩へと変化するようです。
殺菌のためなのに食品添加物という感じがしませんが、れっきとした添加物ですので、これを添加物を販売しているメーカーが食品を扱う事業者等に食品添加物と表示して販売している場合には、それは飲食料品の販売という事になるので、軽減税率が適用されます。
殺菌のために使用される次亜塩素酸ナトリウムですから、それが食料品以外の消毒、例えば調理器具等のためにも使えるためその消毒用としても販売がされている事があるようです。
この場合だとどうでしょう？
基本的な考えで考えるといいのですが、次亜塩素酸ナトリウムが食品添加物であっても、それが食品添加物以外の用途つまり器具の消毒等で販売されているのであれば、軽減税率の適用にはならないと考えられます。
今回の場合も、外食の場合と同じように、店内で食べるか、持ち帰るか、で軽減税率の対象になるかならないかが変わるのと似ている感じがします。
こういった例をみると、必ずどこかで線引きして決めるため、見方によってはどうにも納得ができないといった事案も出てしまうでしょう。今回のもそういったものになりかねませんが。
軽減税率の個別事例Q&Aに「化粧品メーカーへの添加物の販売」というものがありますが、これも販売側は食費衛生法に規定する添加物として食用として販売しているものを、化粧品メーカーは化粧品の原材料として購入した場合、販売側ではもちろん軽減税率対象で販売します。
購入側である化粧品メーカーの立場から見ると、原材料の仕入れなのに軽減税率の対象で仕入となるでしょう。
販売用途の段階だけで適用の可否を決めると、その後の所では矛盾が生じてしまう気がしますね。（これも持ち帰りといって、店内で食べてしまう事とどことなく似ている気がします。）
川崎生まれ・川崎育ちの税理士、濱村純也です。
川崎周辺(もちろんそれ以外でも）での
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