今月施行された消費税免税店の「臨時販売場制度」
日本を訪れる外国人旅行者は年々増加しており、昨年は3,119万人と、初めて年間3千万人を突破した。その旅行消費額は4兆5,189億円にのぼり、7年連続での増加となっている。
インバウンド需要の増加に伴い、外国人旅行者等の非居住者に対して通常生活の用に供される物品を一定の方法で販売する場合に消費税を免除して販売できる免税店(輸出物品販売場)制度においても、対象品目の拡大や購入下限額の引き下げなどの免税販売要件の緩和をはじめ、制度拡充が毎年のように実施されており、免税店数は全国で4万7,441店(昨年10月1日現在)まで増加している。
今年度税制改正では、外国人旅行者への販売機会のさらなる増加を図るため、地域のお祭りやイベントのほか、多数の外国人旅行者の参加が見込まれるラグビーワールドカップや東京オリンピック・パラリンピック等の開催も控えていることから、イベント等に出店する場合において免税販売を可能とする「臨時販売場制度」が創設され、今年7月から施行された。
本制度は、既に免税店の許可を受けている事業者が、7カ月以内の期間を定めた臨時販売場を設置する場合が対象となる。臨時販売場を設置する事業者は、あらかじめ納税地の所轄税務署長の承認を受けたうえで、その臨時販売場を設置する日の前日までに、設置期間等を記載した「臨時販売場設置届出書」を納税地の所轄税務署長に提出することにより、臨時販売場を免税店とみなして免税販売を行うことが可能になる。
事前の承認を受けるためには、①臨時販売場で行った免税販売手続について、検証を行うための必要な体制が整備されていること(臨時販売場の設置期間中の免税販売記録等が閉鎖後も適切に保存され、確認できるような体制が整備されていることをいう)、②手続委託型免税店のみを経営する事業者は、臨時販売場において自ら免税販売手続を行うための必要な体制が整備されていること、③免税店の許可の取り消しまたは臨時販売場を設置する事業者の承認の取り消し、かつ、その取り消しの日から3年を経過しない者でないこと、その他臨時販売場を設置する事業者として特に不適当と認められる事情がないことが、事業者の要件となる。
なお、本制度の創設に伴い、港湾施設内で事前承認を受けて設置する臨時販売場に係る制度は 6月30日をもって廃止され、港湾施設内においても本制度が適用される。
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